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永野 哲志; 佐藤 努*; Williams, I. S.*; Zaw, M.*; Payne, T. E.*; Airey, P. L.*; 柳瀬 信之; 磯部 博志*; 大貫 敏彦
Geochemical Journal, 34(5), p.349 - 358, 2000/10
被引用回数:4 パーセンタイル:13.58(Geochemistry & Geophysics)オーストラリア・クンガラウラン鉱床において、ウランは一次鉱床から地下水によって流され風化生成物である鉄鉱物に濃集し二次鉱床を形成している。本報では、二次鉱床中におけるウランの挙動についてのタイムスケールを得ることを目的として行った、高感度・高分解能イオンマイクロプローブ(SHRIMPII)によるウラン系列核種の放射能比測定の結果を報告した。鉄鉱物のうち、非晶質相からは1よりやや大きい値が、また結晶質相からはほぼ1に近い値が得られ、もし鉄鉱物が結晶化の過程で閉じていたとすれば、ウランが保持されてから少なくとも数百万年程度の年月が経過したことになる。一方、ウランに比べて動きにくい鉛の同位体比について分析したところ、二次鉱床内に存在する放射起源鉛には、風化が起こる前に一次鉱床から流れてきたものと、風化とともに流れ始めたが未だ一次鉱床近辺にとどまっているものがあることがわかった。
永野 哲志; 佐藤 努*; 柳瀬 信之; 磯部 博志*; 大貫 敏彦; I.S.Williams*; M.Zaw*; T.E.Payne*; P.L.Airey*
JAERI-Research 99-024, 52 Pages, 1999/03
オーストラリア・クンガラウラン鉱床において、ウランは地下水によって流され、風化生成物である鉄鉱物に濃集し二次鉱床を形成している。本研究では、二次鉱床におけるウランの地球化学的挙動のタイムスケールを調べることを目的とし、風化生成物中におけるウラン系列核種の放射能比を高感度・高分解能イオンマイクロプローブ(SHRIMP)により測定した。その結果、鉄鉱物からは系が放射平衡に達していることを示唆する1に近い値を得た。この値は、もし鉄鉱物が閉じた系であったとすれば、ウランが保持されてから少なくともおよそ百万年程度の年月が経過したことを示すものである。
雨宮 浩樹; 水野 崇; 岩月 輝希; 湯口 貴史; 村上 裕晃; 國分 陽子
no journal, ,
放射性廃棄物の地層処分において、地下深部の長期的な地球化学環境の変遷を推定することは重要な課題となっている。長期的な地球化学特性の変遷の調査解析は、地下水の滞留時間の範囲内においては、地下水を分析することにより直接的に地球化学的特性を把握することが可能である。一方、地下水の滞留時間を超える時間スケールを対象とする場合においては、過去の地球化学特性を反映した地下水を直接採取することができないため、地下水から沈殿した二次鉱物を利用し地球化学的特性(温度、塩分濃度、pHおよび酸化還元電位)を推測することが有効な方法のひとつである。演者は炭酸塩鉱物を用いて過去の地下水の地球化学特性を推定し地下深部における地球化学的条件の把握を試みたこれまでの研究をレビューした。その結果、炭酸塩鉱物沈殿時の地下水の温度と塩分濃度は定量的に評価できる一方、pHおよび酸化還元電位は定性的な評価しかできていないが、炭酸塩鉱物中のマンガン,鉄,ウランなどの重金属や希土類元素の含有量を用いて酸化還元電位を定量的に推定できる可能性が示唆された。